「サブスク契約に法規制、虚偽説明での解約妨害を禁止 消費者庁検討会」

日本経済新聞 2026.9.9

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD071F60X00C26A9000000

特商法だけでなく消費者契約法でも中間取りまとめ

前回、前々回は、9月10日に公表された特定商取引法の中間取りまとめについて、ダークパターン、レスキュー商法との関連で記事を書きました。

外部リンク:消費者庁「デジタル取引・特定商取引法等検討会」

実は、同じ9月10日に、消費者庁は、もう一本の中間取りまとめを公表しています。
これは「現代社会における消費者取引の在り方を踏まえた消費者契約法検討会」のものです。

え、2本同時に出てたの? 気づかなかった。

特商法と消費者契約法、両方の改正案が同じ日に2本立てで示されています。

外部リンク:消費者庁「現代社会における消費者取引の在り方を踏まえた消費者契約法検討会」

特商法は、その名のとおり、訪問販売や通信販売といった「取引」に狙いをしぼった法律です。これに対して、消費者契約法は、事業者と消費者の間の契約すべてに及びます。

消費者契約法のおさらい

消費者契約法って、うそをつかれたら、消費者が取り消せるやつだよね?

そうですね。不当な勧誘について取消しができるという法律です。もうひとつの軸は、不当な契約条項からの解放です。

  1. 取消権(4条)。事業者が不実告知をした、断定的判断を提供した、帰ってくれと言ったのに帰らなかった、帰りたいのに帰してくれなかった。消費者に「誤認」「困惑」があれば、契約を取り消せる、というものです。
  2. 不当条項の無効(8条から10条)。事業者の責任を全部免除する条項や、平均的な損害を超える解約料の条項は無効になる、というものです。

その後、何度か改正が行われ、例えば2018年の改正では、不安をあおる告知、恋愛感情の不当な利用、判断力の低下の不当な利用、霊感による知見を用いた告知などが4条に加わりました。また、2022年の改正では、退去困難な場所へ同行しての勧誘、威迫する言動を交えた相談の連絡の妨害などが加わりました。

ほう、事業者の「やってはいけない」リストがだんだん増えてるんだな。

そうです、増え方に共通点があって、それは、すべて「事業者が何かをして」「消費者が誤認したり困惑したりした」ということが要件になっているのです。ここが、今回のポイントになります。

現行法の限界①:「事業者が何かをした」ことが要る

じゃあ、うそもつかれてない、脅されてもない、でも、おばあちゃんがよくわからないまま高い契約をしちゃった、みたいなときは?

はい、いまの4条では、取り消せません。事業者の側に外形的な不当行為がなければ、取消しの要件を満たさないからです。

そりゃそうだろう。本人が納得して判を押したんだ。
自己責任ってもんだ。

その「納得」が問題なのです。まともに判断できる状態にない状況下にある人に、判断したというかたちだけを残させる。それを「納得」と呼んでいいのか。消費生活相談の現場には、こういう事案がずっと積み残されてきました。

現行法の限界②:解約料の立証

もう1点、いまの法律で問題となっているのが「解約料」です。9条1項1号は、平均的な損害を超える解約料の条項を無効にします。ところが、「平均的な損害」がいくらなのかは、消費者には分かりません。

分からないのに、超えてるって言わなきゃいけないの?

そうなんです。最高裁は、学納金の返還請求の事件で、平均的な損害を超えることの立証責任は消費者側にあるとしました(最判平成18年11月27日民集60巻9号3437頁)。

中間取りまとめは、この問題を3つに切り分けています。

① どのような場合に『平均的な損害の額』を超えると考えるべきか、解釈が明らかではない
② 消費者及び適格消費者団体が『平均的な損害の額』を立証することは難しい
③ 実際のビジネスにおいては必ずしも損害の発生を前提として『解約料』を定めていない場合がある」(中間取りまとめ:25頁)

③も、たしかに、そのとおりだな。うちの店もキャンセル料をとっているが、別に、損した分を厳密に計算して決めたわけじゃないしな・・・それもダメだっていうのか?

まあまあ、そこはまたあとで触れましょう。

消費者の多様な脆弱性への対応

さて、現行法の問題点がわかったところで、中間取りまとめのなかみをみていきましょう。

第1は、「消費者の多様な脆弱性への対応」ですが、ここで「配慮」というキーワードが出てきます。

前回のダークパターンの記事でも「脆弱性」という語が出てきましたね。この「脆弱性」と「配慮」が、消費者法のトレンドですね。

配慮は、2種類に分かれています。

まず、「判断の確保についての配慮」があります。

「事業者は、物品、権利、役務その他の消費者契約の目的となるものの性質及び消費者契約の目的となるものの対価その他の取引条件に応じて、消費者が安心・安全に取引できる環境(健全な市場)の実現のために最低限確保すべき取引環境として、①消費者が適切な判断をすることが困難な状態に陥ることがないようにすることについての配慮及び②既にそのような状態にある消費者が不適切な判断をすることがないようにすることについての配慮をしなければならないこととする方向が考えられる」(中間取りまとめ:5頁)

要するに、①消費者を判断できない状態に追い込むな、②すでに判断できない状態の人に不適切な判断をさせるな、ということですね。

これは、よくわかるね。

次に、「契約がもたらす結果についての配慮」です。

「事業者は、物品、権利、役務その他の消費者契約の目的となるものの性質及び消費者契約の目的となるものの対価その他の取引条件に応じて、消費者契約の締結により消費者又はその配偶者若しくは扶養親族の生活の現状を著しく悪化させることがないように配慮する努力を促す方向が考えられる」(中間取りまとめ:6頁)

おい、待て。いまのは「努力を促す」だったな。さっきのは「しなければならない」だったぞ。配慮のレベルが違うのか?

鋭いですね。同じ「配慮」の語で、前者は義務で、後者は努力義務と書き分けられています。結果に対する配慮義務のほうが、弱いということです。

配慮しなかったらどうなるの?

へー。配慮しなければならない、って書いてあるんだよね。
じゃあ、もし、配慮しなかったらどうなるの?

そこが重要なところですね。中間取りまとめの8〜9頁、「役割・効果」の項です。

「事業者が適切に配慮をした場合には、結果的に消費者が適切に判断できなかったり、消費者契約によって引き起こされるべきでない結果を回避できなかったといった帰結が生じたとしても、それ自体を問題とするものではない。」(中間取りまとめ:8頁)

「法的効果をもって直接的に強制することに馴染まないため、直接的な民事上の効果に関する規律及び行政処分に関する規律を設けることには慎重な検討が必要である。」(中間取りまとめ:9頁)

「なお、(行政処分に至らない)指導・勧告・公表といった行政措置を行うことについても、消費者法制度の中での他法令における行政措置との関係性をどう考えるか、慎重な検討が必要である。」(中間取りまとめ:9頁)

要するに、配慮をしなかったとしても、消費者が取消しや解除もできないし、事業者にもとくにペナルティはないよ、ということです。

取消しもない、損害賠償もない、行政処分もない。指導・勧告・公表すら「慎重な検討」。では、何を期待しているのかというと、こういうことのようです。

「事業者の創意工夫による行動を促進する」(中間取りまとめ:9頁)

創意工夫・・・小学校の今月のクラス目標じゃないんだから・・・

「常日頃から法令を遵守して適切な消費者対応に努めている事業者に対して過大なコンプライアンス上の負担等を課すべきではな」い(中間取りまとめ:9頁、脚注13)

これは、現行の消費者契約法3条1項と同じ設計です。3条1項にも、事業者は消費者の理解を深めるよう情報提供に努めなさい、という努力義務が書いてあります。

さて、それで「創意工夫」した事業者がいたのでしょうか?

うーん・・・

市場に任せると、ダークパターンとかレスキュー商法みたいな悪辣な「創意工夫」しか生まれなかった気がするんだけど・・・

しかも、さっきみたように、判断の確保についての配慮は「しなければならない」と法的義務の形で書いてある。努力義務ではなく、法的義務です。そう名づけたのに法的効果が全くない、というのは、ちょっと意味がよくわかりません。

下手すると、事業者の側に「うちは配慮した」という抗弁の材料だけが残ります。

消費者庁は、ちょっと事業者に「配慮」しすぎじゃないでしょうかね。

「事業者の行為」がなくても解除できるか

次に、第1の2「契約の拘束力から消費者を解放する仕組み」をみていきます。これは、事業者の不当行為を要件としない解除権です。これは、新しいですね。

「消費者が、①適切な判断をすることが困難な状態で、②深刻な結果となる内容の契約を締結した場合に解除できることとし、③事業者の予見可能性を確保しつつ共創協働の観点から『第三者』による見守りを促す仕組みを設ける」(中間取りまとめ:14頁)

さっきのおばあちゃんの契約は、これで解除できるんだね?

要件を分けると、

  1. 消費者が、適切な判断をすることが困難な状態にあること
  2. 契約の内容が、深刻な結果となるものであること

の2つで、事業者が何をしたかや、その主観、消費者側の誤認・困惑などは要件になっていません。

いやいや、それは困るぞ。そんなことされたら、契約したあとで「実はあのとき判断できない状態でした」と言われて、キャンセルし放題になるじゃないか。

そうですね、報告書にもその懸念が記載されています。

a)消費者が、適切な判断をすることが困難な状態で、深刻な結果となる内容の契約を締結した場合に解除できることとする場合に、事業者の予見可能性を確保することができるか。(中間取りまとめ:14頁)

そこで、論点整理の段階では、③の「第三者」による見守りが出てきました。見守る人がいれば、事業者から見ても契約の相手方の状態が分かりやすい、という発想です。

ところが、中間取りまとめは、この枠組みをまた換えました。

「①を要件とすることは、仮に実質基準を採った場合には事業者の予見可能性を確保することが困難であること、仮に形式基準を採った場合には一定の消費者が市場から排除されるという弊害を避けられないこと、また、③を要件とすることは、上記c)に記載のような『第三者』をめぐる様々な課題を解決することが困難であることが指摘された。」(中間取りまとめ:15頁)

「契約の拘束力からの解放手段としては、②の(深刻な結果となる内容の契約を締結した場合)という要素を中心に据えた上で、『消費者の脆弱性』を考慮しつつ、事業者の予見可能性を確保する観点から、どのような内容・類型の契約が対象となるかについて具体的な事例や裁判例を踏まえつつ要件の明確化を図ることが適当である。また、消費者契約全体を射程とする影響の大きさに鑑み、上記d)を踏まえ、事業者が知っていたことを要件として取り入れる(②を知っていたことを必要とする)ことが考えられる。」(中間取りまとめ:15頁)

えっと・・・つまり、どうなったの?

①②③のうち残ったのは、②「深刻な結果となる契約」で、新たな要件としての「事業者がそれを知っていたこと」が加わりそう、ということです。

この解除権の出発点は「事業者の不当行為や主観を要件とすることなく」(中間取りまとめ:14頁)契約から解放することだったはずです。しかしながら、事業者の主観要件が復活してきています。ゾンビのように。

しかし、これだとあんまり意味ないんじゃないか?
悲惨になることを知ってて契約を進めた、となったら今でも違法だろ、どう考えても・・・

解約妨害の禁止(ダークパターンとも関連)

さて、第2の「消費者契約の各過程に関する必要な規律」です。サブスク(継続的契約)からの離脱の話です。

冒頭の日経新聞の見出しになったのは、ここですね。

「解約したいのにできない」ってやつだ。
これも、たしかダークパターンの一種だったよね。

はい。中間取りまとめは、こう述べます。

「事業者が物品、権利、役務その他の消費者契約の目的となるものを継続的に提供し続ける消費者契約を対象とし、そのような契約から離脱する場面において、不当な行為が行われることを禁止する規律を設ける方向が考えられる」(中間取りまとめ:18頁)

同じページで、禁止される行為は次の3つの類型に整理されています。

  1. 「消費者が解約をするかどうかについての判断に通常影響を及ぼす事項についての不実告知・将来における変動が不確実な事項についての断定的判断の提供」
  2. 「ⅰ)のほか、解約に関して消費者を欺く行為・威迫して困惑させる行為」
  3. 「解約によって実現されるべき状態を妨げる行為として、解約によって事業者に生じる債務の履行の不当な拒否・遅延」

ふむ・・・たとえば「いま解約すると損しますよ」と言うのは、1に当たるのか?

それが事実でないなら、1に当たります。また将来の値上げを断定的に言うのも1に当たりますね。

で、これに違反したら、解約できたことになるの?

はい、効果については、こう記載されています。

「直接的な民事上の効果は定めないものの、事業者による同様の解約妨害行為の未然防止又は拡大防止を図る必要があることから、適格消費者団体による差止請求の対象とする方向が考えられる」(中間取りまとめ:18〜19頁)

えー?

解約妨害された本人には、とくに効果はありません。解約できたことにもならない。契約の取消しもできない。動けるのは適格消費者団体だけで、しかも差止め、つまり「今後はやるなよ」です。

なお、脚注には、解約妨害については解約の効果が生じたものとすべき、という考え方が示されています。

「消費者が解約権を行使しようとしたにもかかわらず、事業者の妨害行為によって、解約権の行使が妨げられた場合には、解約の効果が生じるものと解すべきとの指摘もあった。」(中間取りまとめ:18頁、脚注31)

解約妨害を受けた本人を救済し、今後の妨害行為を防止するには、端的に解約の効果を認めるのがもっともいいと思うんですが・・・

また、どの行為が禁止されるのかの具体的な中身は、「事業者の予見可能性や差止請求の実効性も考慮しつつ、下位法令で具体的な行為を規律す」る(中間取りまとめ、脚注30)とあります。

特商法のほうでも、解約妨害の話が出てたよね。

はい、特商法の中間取りまとめは、解約手続を不当に遅延させる行為や、契約手続に比して合理的理由なく過度に複雑な解約手続を課す行為を、違法行為として規律の対象にすべきだとしていました。これは、行政処分の対象です。

ということは、同じ「解約妨害」でも、特商法だと処分され、消費者契約法だとお咎めなしで単に差止対象になるだけか。なんだろうな・・・

しかも、2つの中間取りまとめのどちらにも、両者の関係は書かれていません。前回も縦割りだと言いましたが、こんどは同じ日に出た2本の報告書の間で縦割りです。

ところで、これ、なんで2つに分けて議論するんですかね?縦割り行政による弊害をなくすためにできた消費者庁自身がバリバリの縦割りをやっててどうするの、という感じです。

このほか、第2には、自動更新の前に通知する規律(中間取りまとめ:20頁)、定型約款を変更するときに個別に通知する規律(中間取りまとめ:21〜22頁。民法548条の4第1項2号関係)も入っています。

解約料については見直しせず

さて、第3は「解約料」です。

中間取りまとめは、9条1項1号の立証責任について、3つの案を並べています。文書の用語で【A案】【B案】【折衷案】です。

A案 「消費者契約法第9条第1項第1号の規律について事業者が立証責任を負うものとする。」(中間取りまとめ:27頁)

B案 「原状回復賠償に相当する部分等については消費者が立証責任を負うものとする。他方で、それ以外のものについては事業者が立証責任を負うものとする」(中間取りまとめ:27頁)

折衷案

「1 消費者契約の解約料条項について、平均的損害額を超えない部分は有効とする。」 「ただし、以下の各項目に該当する部分は、平均的損害額を超えないものと推定する。」
ⅰ)「契約の解除後に目的物又は権利が返還される場合 目的物の使用料または権利の行使により得られる利益の価額として相当な部分」
ⅱ)「契約の解除後に目的物または権利が返還されない場合 目的物または権利の販売価格として相当な部分」
ⅲ)「役務の提供を目的とする契約の解除が役務の提供の開始後である場合 提供された役務の対価として相当な部分」
ⅳ)「契約の解除が、目的物の引渡しもしくは権利の移転または役務提供の開始前である場合 契約の締結及び履行のための費用として相当な部分」
ⅴ)「その他政令で定めるもの 政令で定める部分」
(中間取りまとめ:28頁)

A案が、いちばんすっきりしてるね。
たしかに、資料を持ってる事業者が証明すればいいじゃん。ね?

ところが、中間取りまとめの結論は、結局は見直しせずということになりました。

「今回は同法第9条第1項第1号の見直しは行わず、まずは事業者の説明責任を強化することとし、具体的には下記2の『解約料』条項の説明に係る既存の制度を拡充する方向が考えられる。」(中間取りまとめ:29頁)

その代わりに、もともとあった解約料の説明・情報提供を「促す」ということになりました。

3条1項を改正して、解約料の額や支払時期が異なる複数の選択肢がある場合にその情報の提供を「促す」のと、9条2項・12条の4の算定根拠の説明について、「契約の締結及び履行のために通常要する費用以外のものが含まれる場合にはその旨を、参考とした業界等の考え方がある場合にはその旨を、それぞれ示して説明することを促す」ということです(中間取りまとめ:29頁)。

ここでもやっぱり「努力義務」です。

DPF(デジタルプラットフォーム)規制は全くやる気なし

そういや、こないだの特商法のほうでは、一応、プラットフォームの話が出てたな。業者を行政処分してからじゃないと広告を削除してと言えない、という、えらくのんびりとしたやつが。

はい、消費者庁が誇大広告に行政処分をした場合に、その広告が載っているプラットフォームに削除等を要請できる、要請に応じた事業者は免責される、というしくみです。前回、これについて「どうかんがえても使えない」「DPFについてはほぼ手つかず」と評価しました。詳細はこちらをみてください。

じゃあ、こっちの消費者契約法のほうは?

手つかずどころか、まったく触る気配すらありません。

1点、11頁には、事業者本人以外の「関係主体」にも配慮を促す、という項があります。

「取引当事者である事業者以外の消費者契約に関係する主体(取引基盤提供者等)や関係し得る主体(地域のネットワーク等)が、消費者が安心・安全に取引できる環境の実現のために共創協働の観点から配慮することを促す仕組みを設けること」(中間取りまとめ:11頁)

「各主体の立場や実情に応じて様々なものがあり得ることから、各主体の創意工夫を促す観点から、一律の義務とするのではなく、努力を促す規律とすることが望ましい」(中間取りまとめ:11頁)

とにかく「創意工夫」とか「共創協働」とかいうことばが大好きなんだ、という気持ちは伝わってくるな・・・

その中身はよくわからないんですよね。サブスクの解約妨害って、そもそも、多くは、アプリストアとか決済とか、プラットフォームの上で起きているわけです。それなのに、この無関心ぶりは、ちょっとどうかと思います。

しかも、この「努力を促す規律」なんていうのは、新しくもなんともありません。取引DPF消費者保護法の3条に、取引DPF提供者の努力義務があります。これは、4年前(全く使えない法律なのに、4年間もまったく改正されていない。附則には3年で見直しする、って書いてあるのに。)から施行されています。

まとめ

まず、目玉の1つである「配慮」義務は、法的義務であるにもかかわらず何の効果を持たせない、ということで、ちょっと理解が追いつきません。しかも、このことで利益を受けるのは悪質な事業者だけです。配慮をする誠実な事業者は、配慮をしない悪質な事業者に駆逐されてしまいます。

また、解約妨害禁止は、妨害された本人には何の救済もあたえません。

次に、不当行為を要件としない解除権は、「事業者が知っていたこと」という主観要件が入りました。そもそもの出発点は事業者の主観を問わないことだったはずで、このままでは4条3項と同じ立証の壁が残ります。

キャンセル料については、3案まで出しながら、けっきょく9条1項1号の見直しは見送りです。代わりの情報提供、説明義務は、またもや努力義務でしかありません。「情報パラダイム」からの脱却をめざしたはずの改正が、これではちょっと悲しいです。

そして、私個人としては、これが一番残念なのですが、DPF規制のやる気のなさです。取引DPF消費者保護法3条の努力義務に一切の上乗せがない。これはあんまりではないでしょうか。

パブコメ募集は10月31日まで

外部リンク:e-Gov パブリック・コメント「現代社会における消費者取引の在り方を踏まえた消費者契約法検討会 中間取りまとめ」に関する御意見募集

10/31までパブコメ募集をしています。皆さんのコメントが、法案をより充実したものにかえていく力になります。


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住田 浩史のアバター

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