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九州で記録的豪雨
2020年7月6日、九州は記録的豪雨に見舞われ、100万人を超える人に避難指示が出ています。また、熊本県南部では球磨川の氾濫などで多くの方が亡くなられ、今でも孤立状態が続いています。
災害に遭われた方に心よりお見舞いを申し上げます。
NHKは、新型コロナウイルス感染症と避難生活について、このような情報を提供しているね。
外部リンク:NHK「新型コロナと災害 避難はどうする?」
新型コロナウイルス感染症の問題と避難生活は、本当に深刻ですね。個室が確保されていない日本の避難所の後進性は、夙に、指摘されてきたところです。国や地方公共団体は、災害が起こる前に避難所のあり方の改善を急務として進めるべきです。
例えば、2020年6月の記事ですが、千葉県では、このような対策をとっているみたいですね。
外部リンク:朝日新聞「専用個室、テントも 避難所もコロナ対応進む 千葉」
そして、もちろんですが、個人としても、自然災害は、いますぐ自分の身に起こる問題として日頃から考え、準備しなくてはなりませんね。
さて、きょうは、災害と消費者被害について考えてみます。
災害便乗商法とは
ふむ。新型コロナウイルス感染症を「災害」といっていいのかどうかわからないが、確かに、これに便乗した悪質商法がたくさん出ているよなあ・・・本当に。
そうですね。この「きょうの消費者ニュース」でも、そのうちいくつかを紹介しました。
Covid-19関連の記事の一覧は、こちらからどうぞ。
内部リンク:きょうの消費者ニュース カテゴリーCOVID-19(新型コロナウィルス感染症)
悪質商法が得意にしているのは、消費者の心理につけこむことです。
ですので、「災害」で困っている消費者の気持ちにつけこむことは、彼ら/彼女らのもっとも得意とするところなのです。
災害便乗商法①:修理工事をめぐる悪質商法
さて、冒頭で紹介した国民生活センターのプレスリリースでは、被災した家の屋根などの修理工事をめぐる悪質商法が多く紹介されています。
へえ。これって、どんな手口なの?
ひとつは、修理工事の代金や内容をめぐるトラブルです。
代金が高すぎる、無料検査と称して屋根に上がられこのまま放置すると雨漏りをすると言われてあわてて工事をする、工事が雑、など、よくある契約トラブルですね。
ふうん。どういう点に注意すればいいのかな。悪い業者といい業者をどう見分ければいいか、わからないよ。
これは、昔からある、いわゆる「悪質リフォーム」です。ずいぶん古い2008年の記事で恐縮ですが、私が書いたこの記事などを参考にしてください。
外部リンク:「悪質リフォームの見分け方」
それにしても若いな・・・時代を感じる。
何か言いましたか?
ひとことでいうと「呼びもしないのに来る業者」は、全部ダメだと思ってください。それが一番わかりやすいです。
もし、万が一、このような悪い業者と契約を結んでしまった場合でも、特定商取引法の「訪問販売」にあたり、クーリング・オフや契約の取消しにより代金の返還を求めることができる場合があります。
そうそう、たしか、8日間すぎててもクーリング・オフできるケースもあるんだったよね。
内部リンク:路上で買ったマスクは3000円未満でも返金を求められるか(路上販売とクーリング・オフ)
そうそう、よく覚えていましたね。
あきらめずに、消費者ホットライン「188」やお近くの消費生活センターに電話しましょう。
外部リンク:国民生活センター「消費者ホットライン188」
災害便乗商法②:火災保険を狙う商法
もう一つ、最近増えているのが、「火災保険を使って家を修理しませんか?」という勧誘をしてくる修理業者です。
まずは、こちらの注意喚起情報をご覧ください。
外部リンク:国民生活センター「保険金を使って住宅を修理しませんか」がきっかけでトラブルに!ー高齢者からの相談が増加しています-(PDF)
この2ページの図がわかりやすいので、引用します。
うーん、何が問題なんだ?
いくつかあります。
まず、①保険金請求をサポートした、として、高額な手数料をとるということです。ここでは、保険金の30パーセントなどという事例も紹介されていますね。
また、②高額なだけでなく、手数料が必要で、しかも、保険ではカバーできないということも説明がされていないというケースも多いようです。工事をキャンセルしても手数料や高額の違約金を請求する、という業者もいるようです。
さらに、③うその理由や過大な保険金請求をさせようとする、という業者もいるようです。本当は災害で生じていない部分についての修理についても保険金請求ができる、などとしてそそのかす、ということもあるようです。
うーん、さっきのに輪をかけて、ひどいやりかただね。
日本損害保険協会でも問題視して、注意喚起をしています。
外部リンク:日本損害保険協会「住宅の修理などに関するトラブルにご注意」
これも対処方法としては、さっきの①と同じですね。
まず、呼びもしないのに訪問してくる業者を相手にしないこと。この図(先ほどの国民生活センターの資料の8頁です。)をみたらわかると思いますが、圧倒的に、訪問販売が多いんです。
そして、契約してしまったら、とっととクーリング・オフだな。対策は、シンプルだな。
ふむ。しかし、うちの親が心配になってきたなあ。大丈夫かな・・・。今度電話してきいてみよう。
訪問販売って、必要ですか?
なんだか、こうみてくると、訪問販売って、悪質商法ばっかりに思えてくるね。
全くそのとおりです。訪問販売のように「呼ばれてもないのにずかずかと勧誘する」手法を、「不招請勧誘」(ふしょうせいかんゆう)と呼びます。
ただし、日本では、ごく一部の金融商品取引を除いては、不招請勧誘そのものが違法とはされていません。しかし、多くの悪質商法がこの不招請勧誘に端を発していることからすれば、そろそろ、一律規制を検討しなければならないのではないか、と思います。
しかし、「不招請勧誘」って、漢詩とかに出てきそうで、難しくないか?
盛り上げるためには、なんだかもうちょっとキャッチーな名前がほしいな。「振り込め詐欺」「オレオレ詐欺」みたいなやつ。
「お呼びでない勧誘」とかはどうだ?
そうですね。名前は、大事です。そのあたりから、認知を高めていかなければならないかもしれないですね。