水回り、鍵開けレスキュー商法と「リスティング広告」

「リスティング広告」知らず、高額請求の被害…消費者の弱みつく方法との声も

https://www.yomiuri.co.jp/national/20210106-OYT1T50094/
読売新聞 2021.1.6

はじめに:レスキュー商法とリスティング広告

昨年末に読んだあの記事だけど、ほんとひどいね。

あの水回り・トイレの詰まりで、何千円かと思ったら何十万円も支払わされちゃうやつ。

ひとが困ってるところにつけこんで、悪いことを考える人がいるんだねえ。とくに、一人暮らしの人なんかは、夜中に業者と一対一になるわけだから、怖くて払っちゃうよね。

うん、あれは、けしからんな。

内部リンク:水回り、鍵開けレスキュー商法に注意!:「5000円のはずが20万円請求された」「自分が呼んだらクーリング・オフできない?」

そういえば、もういちど、この記事を読んでみたけど、さいごのところがわからんな。

さいごのところ、とは?

悪質業者が、ウェブ検索でなぜか上位にくる、ってやつ。

検索はさあ、沢山の人が利用したり、評判がいいとかいうことで、上位にくるんじゃないのか?

なんでこんな悪いところが上位にくるんだ?

そうそう、トップにあがってくるところが、まさかそんなおかしなことをするとは思えないよねえ。

気をつけないとね。

なるほど、では、きょうは、そのウェブ検索の仕組みについて、勉強してみましょう。

リスティング広告・検索連動型広告とは

では、まず、冒頭の記事を読んでみてください。

ふむふむ。リスティング広告とな・・・

へえ、検索エンジンを運営している会社に広告料を払ったら、上に出てくるようになるんだ。

「トイレ つまり 京都」でgoogle検索してみよ・・・

あ、検索結果のトップ3つに「Ad」って小さく書いてあるね。これがリスティング広告なのかあ。ほとんど普通の検索結果と区別がつかないね。

おかしいな・・・

同じように検索してみたが、おれの検索エンジンには、そんなのでてこないぞ?

ひょっとして、SHOさんは、ブラウザはSafaliを使っていませんか?

そのほか、コンテンツブロッカーや広告ブロッカーなどのアプリを導入している人は、検索連動型広告が表示されないような設定になっているかもしれませんね。

なお、細かい話をしますと、このGoogleがやっている「検索連動型広告」(ペイドサーチ) は、Google Ads(旧 Google Adwords)といいます。

Googleは、このAdsのほかにも、ディスプレイ広告であるGDNというのもやっていますが、これは、リスティング広告と違い、Googleの提携サイトでのバナーなどで出す広告をいいます。これは、なんというか、むかしながらの「広告」然としたものですね。

まとめますと、検索連動型広告というものがあるので、検索結果のトップにでてくるからといって、それがよい業者かどうか、評判のいい業者かどうかは、全くわからない、というわけですね。

リスティング広告に騙されないためには

なんだ、わりとシンプルなはなしだな。

ようするに、トップにでてくるから、なんでもかんでも信じるな、ということだな。

そうだね。

でもさあ、なんだか、おかしいよね。検索している人は、まさに「検索」をしているわけだから、よい業者やよい商品を探しているわけだよね。べつに、宣伝をみたいわけじゃない。

そんで、ある業者や商品が、検索結果のトップに来ると、これは「よい」のだろう、少なくともおかしなものではなかろう、という期待が働くわけだよね。

その期待を利用して、広告と気づかせないように、広告をみせるのって、それっておかしくない?

KONさん、おっしゃるとおりです。

Googleの「Ad」表示も、昔はもっとわかりやすかったと思うのですがね・・・
広告を除いた検索結果のことを「オーガニック検索」というのですが、オーガニック検索と見分けがつきにくいですね。

こういう、一見、広告とはわからないようにコンテンツに溶け込ませてある広告のことを「ネイティブ広告」といいます。

いちおう、このネイティブ広告については、このようなガイドラインもあります。

外部リンク:一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会「ネイティブ広告に関する推奨規定」

リスティング広告と景品表示法

ネイティブだの、オーガニックだの、言葉が面白いなあ。われわれは、てっきりオーガニックだと思ってたらアーティフィシャルなものを食べさせられているんだな。

そういや、これって、いわゆる「ステマ」じゃないのか?

芸能人が、ほら、ブログで広告料もらって商品の宣伝とかをしてるやつあるだろ?

ネイティブ広告が広告だとわかりづらいようであれば、それはステマ(ステルス・マーケティング)に該当する可能性があります。

なお、消費者庁は、少し古いのですが、2011年に示した指針で、いわゆる「口コミサイト」におけるステルス・マーケティングが景品表示法の優良誤認もしくは有利誤認にあたる場合がある、としていますが、ステルス・マーケティングそのものが問題である、という姿勢はとっていないようです。

外部リンク:消費者庁「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」

どうかなあ。

そもそも、広告なのかどうなのかわからないやりかたで広告をすること自体が問題であるような気がするけれどね。


著者

住田 浩史

弁護士 / 2004年弁護士登録 / 京都弁護士会所属 / 京都大学法科大学院客員教授(消費者法)/ 御池総合法律事務所パートナー

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